社内FAQチャットボットの作り方|Dify×RAGで構築する手順ガイド
「社内の問い合わせ対応に毎日追われている」「同じ質問に何度も答えている」——そんな課題を抱える企業に最適なのが、社内FAQチャットボットです。この記事では、ノーコードAIプラットフォーム「Dify」とRAG(Retrieval-Augmented Generation)技術を使い、低コストで実用的なFAQボットを構築する手順を解説します。
RAGとは何か

RAG(Retrieval-Augmented Generation)とは、社内文書やFAQデータを検索し、その内容を元にAIが回答を生成する仕組みです。AIが学習していない社内固有の情報でも、正確に回答できるのが最大のメリットです。
一般的なChatGPTに社内の質問をしても「わかりません」と返されますが、RAGを組み合わせれば「就業規則によると、有給休暇は入社6ヶ月後に10日付与されます」といった具体的な回答が可能になります。
なぜDifyなのか
- ノーコードで構築可能:GUI上でフローを組むだけ。プログラミング不要
- RAG機能を標準搭載:文書をアップロードするだけでベクトル検索が有効に
- 複数のLLMに対応:OpenAI、Claude、Geminiなど好みのモデルを選択可能
- オープンソース版あり:セルフホストすればデータを社外に出さずに運用可能
- API/Webアプリ公開:作成したボットをSlackやWebサイトに埋め込める
構築の全体ステップ
Step 1:FAQデータの準備
まず、チャットボットに回答させたい情報を整理します。
- 既存のFAQドキュメント(Word、PDF、Excel)
- 就業規則・社内規程
- 製品マニュアル・操作手順書
- 過去の問い合わせ履歴(メール、チャットログ)
💡 データ準備のコツ
最初から完璧を目指す必要はありません。まずは問い合わせ頻度の高いトップ30〜50の質問と回答をまとめるところから始めましょう。運用しながら追加していくのが現実的です。
Step 2:Difyアカウントの作成とセットアップ
Dify(dify.ai)にアクセスし、アカウントを作成。クラウド版なら数分でスタートできます。データを社外に出したくない場合は、Docker環境でのセルフホストも可能です。
Step 3:ナレッジベースの作成
Difyの「Knowledge」セクションで新しいナレッジベースを作成し、Step 1で準備した文書をアップロード。Difyが自動的に文書をチャンク分割し、ベクトルインデックスを作成します。
Step 4:チャットボットアプリの作成
「Studio」でチャットボットアプリを新規作成し、ナレッジベースを接続。システムプロンプトで「社内の問い合わせに日本語で丁寧に回答してください。ナレッジベースにない情報は『担当部署にお問い合わせください』と案内してください」のように指示を設定します。
Step 5:テストと公開
プレビュー画面でテストを行い、回答精度を確認。問題なければWebアプリとして公開するか、APIキーを発行してSlackやTeamsに統合します。
運用の注意点
- 定期的なデータ更新:社内規程の変更、新しいFAQの追加を月1回程度反映
- 回答できなかった質問の記録:AIが回答できなかった質問を蓄積し、ナレッジを拡充
- 機密情報の管理:アクセス権限を設定し、全社員に公開すべき情報とそうでない情報を分離
費用の目安
| 構成 | 月額費用 | 向いている企業 |
|---|---|---|
| Difyクラウド版 + OpenAI API | 5,000〜20,000円 | 手軽に始めたい企業 |
| Difyセルフホスト + Claude API | 10,000〜50,000円 | データを社外に出したくない企業 |
| カスタム開発(AI365で構築) | 個別見積 | 高度なカスタマイズが必要な企業 |