ペーパーレス化の進め方|中小企業が今日から始める5ステップ
なぜ今ペーパーレス化なのか
2024年1月の電子帳簿保存法改正により、電子取引データの電子保存が義務化されました。法令対応だけでなく、ペーパーレス化はコスト削減・業務効率化・テレワーク対応の3つの観点で中小企業に大きなメリットをもたらします。
50万円年間印刷コスト削減
60%書類検索時間の短縮
80%保管スペースの削減
ペーパーレス化5ステップ
Step 1:現状の紙業務を棚卸しする(1週間)
まず自社でどんな紙の書類が発生しているかを洗い出します。以下のカテゴリで整理しましょう。
- 経理系:請求書、領収書、経費精算書、見積書、納品書
- 契約系:契約書、覚書、NDA、注文書
- 人事系:入社書類、勤怠表、有給申請、人事評価シート
- 社内稟議:稟議書、決裁書、報告書
- その他:FAX、紙の回覧、社内メモ
各書類の月間発生枚数、処理にかかる時間、関わる人数を記録します。
Step 2:優先順位をつける
すべてを一度にデジタル化するのではなく、効果が大きく、着手しやすいものから始めます。
| 優先度 | 対象業務 | 理由 |
|---|---|---|
| 高 | 請求書(受領) | 電子帳簿保存法で義務化。処理量が多い |
| 高 | 経費精算 | 全従業員が関わる。効果が実感しやすい |
| 中 | 契約書 | 印紙税の節約効果が大きい |
| 中 | 稟議・承認 | テレワーク対応に直結 |
| 低 | 社内メモ・回覧 | チャットツール導入で自然に解消 |
Step 3:ツールを選定する
業務ごとに最適なツールを選びます。
| 業務 | おすすめツール | 月額費用目安 |
|---|---|---|
| 請求書処理 | バクラク / invox / TOKIUM | 1〜5万円 |
| 経費精算 | マネーフォワード / freee / 楽楽精算 | 3千〜3万円 |
| 契約書 | クラウドサイン / GMOサイン | 1〜3万円 |
| 稟議・ワークフロー | ジョブカンワークフロー / kintone | 3千〜3万円 |
| 文書管理 | Google Drive / SharePoint / Box | 無料〜2千円/人 |
Step 4:パイロット導入・社内ルール策定(2〜4週間)
まず1〜2部門でパイロット導入を行います。同時に以下のルールを策定します。
- 電子帳簿保存法の保存要件(タイムスタンプ、検索要件)
- 紙の書類と電子書類の扱いの切り分け基準
- ファイル命名規則とフォルダ構成
- アクセス権限の設計
Step 5:全社展開・定着化(1〜3ヶ月)
パイロット結果をもとに全社展開します。重要なのは「紙を残す抜け道を作らない」こと。紙と電子が併存すると管理コストが倍増します。
費用対効果の試算(従業員30名の企業)
- 印刷・コピー費:年間約30万円 → ほぼゼロ
- 郵送費(請求書・契約書):年間約15万円 → ほぼゼロ
- 書類保管費(倉庫・キャビネット):年間約10万円 → ほぼゼロ
- 業務時間の削減効果:年間約600時間 × 時給2,500円 = 150万円
- 年間合計効果:約200万円
- ツール費用:年間約60〜100万円
- 純効果:年間100〜140万円のコスト削減
補助金の活用
ペーパーレス化ツールの多くはデジタル化・AI導入補助金の対象です。補助率最大75%を活用すれば、ツール費用の実質負担は年間15〜25万円に抑えられます。補助金の詳細はこちら。